セカンドオピニオン

現在の治療法や方針に疑問を感じ、その結果別の人間の意見を聞くことをセカンドオピニオンといいます。
主治医の前でセカンドオピニオンを切り出すことは、飼い主様にとって心苦しいことかもしれません。
しかし本来セカンドオピニオンは幅広い意見を聞き、その結果治療に反映させることができるという点から、飼い主・主治医・そして動物にとって非常に有用なものであるはずで、人医界では一般的に行われていることです。
当院ではセカンドオピニオンに関しての相談料は頂きません。
新たな治療の選択肢としてお考え頂けたらと思います。
ケース1

ケース2

ケース3
3才、マルチーズ、雌。
若いのに活動性がなく、あまり動かない。
お腹が膨れていて、皮膚のいたるところに色素沈着がある。
他院で血液検査を実施したが異常はないといわれた。
四肢端に舐性変色があり、下腹部には点状の色素沈着がみられた。
両側MPL(G2)あり。
当院での血液検査から軽度の非再生性貧血が認められた。
またレントゲン検査および全身の超音波検査において明瞭な異常は認められなかった。
飼い主様に内分泌疾患の可能性が高い旨を話し、ACTH刺激試験および甲状腺ホルモンの測定を実施した。
その結果T4低値(<0.5μg/dL)、c-TSH高値(1.42ng/mL)がみられた。他疾患の除外およびホルモン検査の結果から若齢性の甲状腺機能低下症と診断。
また皮膚の痒みに関しては原因疾患に付随した膿皮症と診断した。
飼い主様に報告し、同日よりホルモン補充および抗生物質による治療を開始。
内服開始して2週間経過しているが、活動性が随分増し、同居犬と比べ遜色なくなったとのこと。
また皮膚の痒みも軽減しているとのこと。
犬の甲状腺機能低下症は一般的な病気ですが、多くは中高齢以降に発症するものです。
しかし本症例のように若齢で発生するケースもあります。
この疾患も診断するにあたっては他疾患の除外が重要になります。
なんとかしてあげたいという飼い主様の想いによって、特殊検査(ホルモン測定)の実施まで行うことができました。